
-
追加経済対策・改正租税特別措置法の成立
平成21年6月19日に政府の「経済危機対策」が盛り込まれた「租税特別措置法の一部を改正する法律案」が衆議院で再可決され成立しました。
今回、改正された租税特別措置法の概要は次の通りです。
(1)中小企業の交際費課税の軽減
平成21年4月1日以後に終了する事業年度から、資本金1億円以下の中小企業の交際費の定額控除限度額が400万円から600万円に引き上げられます。
支出した交際費等の額のうち、600万円までの金額の10%相当額と600万円を越える部分の全額の合計額が課税されることになります。
(2)試験研究開発税制の拡充
平成21年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する事業年度において、「試験研究費の総額に係る税額控除制度」等の控除限度額が当期法人税額の20%から30%に引き上げられます。さらに、控除し切れなかった額は、平成23年度・平成24年度においても税額控除の対象となります。
(3)住宅取得のための時限的な贈与税の軽減
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、20歳以上の者が、マイホームの新築や増改築の資金を直系尊属(父母、祖父等)から贈与により取得した場合、500万円まで贈与税が非課税となります。
また、暦年課税・相続時精算課税の非課税枠との併用ができます。
土地の取得計画がある場合は、改正土地税制に注意
平成21年度税制改正においては、土地取引の活性化を目的として「土地等の長期譲渡所得の1000万円特別控除」(1000万円特別控除)、および「土地等の先行取得に対する課税の特例」(先行取得特例)という2つの税制が創設されました。最近、この2つの税制の注目度が徐々に上がってきています。
1000万円特別控除は、個人や法人が2009年1月から2010年12月までの間に取得した土地を5年超保有後に譲渡した場合、譲渡益から1000万円(譲渡益が1000万円に満たない場合は全額)を控除できる制度。また、先行取得特例は、法人や個人事業者が2009年1月から2010年12月までの間に国内の土地等を取得し、10年以内に他の土地を譲渡した場合、他の土地の譲渡益の80%、または60%相当額を圧縮記帳して、譲渡益に係る課税を繰り延べることができる制度です。
両制度ともに共通するのは、将来、土地を譲渡する時に譲渡益が発生しなければ税制の恩恵を得ることができないことです。つまり、将来の土地の値上がりが前提になっている税制で、現段階ではその効果が未確定なわけです。したがって、この両制度を利用するために土地を取得するというケースはそれほど多くないと思われます。
しかし、土地取引では巨額の譲渡益が発生するケースが少なくないため、近々に土地取得の計画がある場合には両制度の利用を想定して計画を立てておかないと、思わぬ損をしてしまうことになりかねません。
特に、先行取得特例の場合、特例を受けるためには「先行取得した土地の取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに特例の適用を受ける旨の届出書を提出する」必要があります。たとえば6月末決算法人が今年の1月から6月に土地を取得している場合、申告期限の8月末までに届出書を提出しておかないと同特例を利用することができません。
また、平成21年度税制改正では特定事業用資産の買い換え特例が平成23年末まで延長されているため、個人事業者の場合は両方の特例が利用可能なケースも出てきます。その場合、どちらかの特例を選択することになりますが、一般的には新しい先行取得特例の方が有利になるケースが多いようです。
先行取得特例の届出
相続税の納税猶予制度の経過措置
国税庁がホームページで「過去に贈与により取得した株式等についての相続税の納税猶予の適用について」を公開しています。
これは、平成21年度税制改正で「非上場株式等の相続税納税猶予制度」が創設されたことに伴うもので、「特定同族会社株式等に係る課税価格の計算の特例(10%減額特例)」、及び「特定同族株式等の贈与の特例(相続時精算課税の特例)」の適用を受けた非上場株式等の贈与について、「非上場株式等の相続税納税猶予制度」の適用を受けることができる経過措置について説明したものです。 うえの2つの特例は「非上場株式等の相続税の納税猶予制度」が創設されたことに伴い廃止されました。しかし、「非上場株式等の相続税の納税猶予制度」の適用を受けるには経済産業大臣の認定を受ける必要があるなど、少し適用条件が厳しくなるという面があります。そのため、既に両特例を受けている場合には、「非上場株式等の相続税納税猶予制度」を受けることができるという経過措置ができました。
ただし、この経過措置の適用を受けるためには、平成22年3月31日までに「相続税の納税猶予に関する届出書」を税務署に提出するなどの要件や制限もあるようです。
詳しくは、国税局のホームページに説明されています。
国税局 過去に贈与により取得した株式等についての相続税の納税猶予制度の適用について
所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の消費税の取り扱い
平成20年4月以後のリース契約より適用される「リース税制」においては、売買取引処理が原則で、消費税においても、仕入税額控除の時期は、引き渡した時点となっておりました。
しかし、法人税法においては、中小企業のリース取引や重要性の乏しく1件あたりのリース料総額が300万円以下のものについては、例外的に賃貸処理が認められておりましたので、消費税の取り扱いについて、実務上、混乱を生じる懸念がありましたが、この度、国税庁より「移転外リース取引につき、賃借人が賃貸借処理をしている場合で、そのリース料を支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れ等として消費税の申告をしている場合には、これによっても差し支えない。」旨の見解が示されました。
このことより、経費の計上においても、消費税の取り扱いにおいても、改正前の取り扱いが維持されることとなります。
国税局 所有権移転外リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取り扱い
政府系金融機関が10月1日に再編、民営化
国民金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、国際協力銀行(国際金融等業務のみ)の4機関が統合して、政府が全額出資する「株式会社 日本政策金融公庫」へ、生まれ変わります。
また、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は、政府の100%出資株式会社として出発した後、5〜7年で保有株を売却し、完全民営化される予定です。
今回の再編で「株式会社 日本政策金融公庫」が唯一の政策金融機関となります。
景気悪化傾向の中での再編であるため、再編後も、中小企業への融資は、政策金融として維持する方針が強調されていますが、政府系金融機関の融資が肥大化し、民間金融機関に「民業圧迫」と批判された経緯があるため、融資残高が維持されれば、問題再燃の可能性もあり、再編後の運営が注目されます。
国税庁が「平成20年分 年末調整の仕方」を公開
早いもので、国税局が「平成20年分 年末調整の仕方」を公開しました。直前になって慌てないように早めの確認をしておきましょう。
国税局 平成20年分 年末調整のしかた
政府管掌健康保険が(協会健保)へ
中小企業で働く従業員やその家族が加入している「政府管掌健康保険」が、平成20年10月から、国の運営から民間の法人として設立された全国健康保険協会「協会けんぽ」に運営が移行されます。
協会の設立による運営の方法については特段の変更はなさそうですが、保険料だけはどうも違うようです。
20年10月の協会設立時は9月30日までの保険料率(8.2% 労使合計)が適用されますが、協会設立1年以内に、都道府県毎に地域の医療費を反映した保険料率が設定されることとなります。この移行にあたり、保険料率が大幅に上昇する場合は激変緩和措置を講ずることとなっていいますが、厚生労働省が平成15年度の医療費の実績を元に試算したものによると最高は北海道の8.7%で、最低は長野県の7.6%と大きな格差があります。加入者に大きな影響を与える制度といえます。
社会保険庁ホームページ
長寿医療制度の保険料にかかる社会保険料控除
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)においては、原則としてその保険料が年金から特別徴収されていましたので、所得税・個人住民税における社会保険料控除も、その保険料を払った者として年金受給者自身の所得の計算上適用されていましたが、今般の長寿医療制度の見直しにおいて、政令の改正により本年10月分以降の保険料については市区町村へ一定の手続きを行うことにより、年金からの特別徴収に代えて、被保険者の世帯主または配偶者が口座振替によりその保険料を支払うことを選択できるようになった事により、社会保険料控除を世帯主等が受けることができるようになりました。
@年金からの特別徴収の場合
年金受給者の社会保険料控除適用
A被保険者の世帯主または配偶者が口座振替により支払った場合
口座振替によりその保険料を支払った世帯主又は配偶者に社会保険料控除適用
所得税は、所得に応じて税率も異なるため、社会保険料控除の適用対象者が変わると、世帯全体で見たときの所得税・個人住民税の負担額が変わる可能性が高いため十分な注意が必要となります。
国税局 長寿医療制度の保険料に係る社会保険料控除の適用関係等について
平成20年分の路線価
国税庁が平成20年分の路線価の閲覧開始を7月1日からの予定とアナウンスしています。例年より1ヶ月早くなっています。
なお、国税局・税務署は、IT化・ペーパーレス化を進めていることにより、国税局・税務署に路線価等(冊子)の備え付けを行わないようです。路線価を調べるには、国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」を利用するか、全国の国税局・税務署に備え付けてあるパソコンで閲覧することになります。
国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」には、このホームページの下にある「路線価図」からアクセスできます。
「所得税法等の一部を改正する法律」が公布・施行
平成20年4月30日、2008年度税制改正が成立し、4月1日付で一時失効していた「租税特別措置法」が復活しました。
ガソリン税の暫定税率などで注目を集めていた本年度の租税特別措置法でしたが、一応決着がつきました。
ちなみに、企業の方で注目されていた「交際費の損金算入」については、これまでどうり認められない方針です。
参考 国税局のホームページ
「住民税の住宅ローン控除」の手続きが明らかに
「住民税の住宅ローン控除」制度は、平成18年度税制改正で所得税から住民税への税源移譲が行われたことに伴い、所得税から控除しきれなくなった住宅ローン控除額について、市町村に申告すれば住民税から控除することができるという制度です。
この「住民税の住宅ローン控除」制度について、総務省は「市町村民税・道府県民税 住宅借入金等特別税額控除申告書記載要領」を作成。その手続き方法について明らかにしています。
対象になる人は、平成11年1月1日から平成18年12月31日までに入居した住宅について住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の適用を受けた人で、平成19年度以降の住宅ローン控除額がその年の所得税額よりも多い人です。
控除できる金額は「『税源移譲前の所得税率で計算した所得税額』か『住宅ローン控除額』の低いほう」から「税源移譲後の所得税率で計算した所得税額」を差し引いた金額です。
なお、この控除を受けるためには、市町村に対し毎年の申告が必要です。確定申告をする人は確定申告と一緒に税務署に申告することができますが、サラリーマンなど確定申告をしない人の場合、3月15日までに市町村に申告する必要があります。
申告書の様式や記載要領は各市町村のホームページで公開されています。
税減移譲で住宅ローン控除額が減少した人の年末調整
平成18年度税制改正では、所得税(国税)から住民税(地方税)への税源移譲が行われました。その結果、今年からほとんどの人の所得税額が減り、住民税額が増えていますが、ここで問題になるのが、いわゆる住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の取り扱いです。同控除においては、上限額が所得税額と定められているため、所得税額の減少はそのまま控除上限額の減少となります。控除額(ローン残高の1%)が所得税額を超えるような人の場合、国や地方に払う税額は同じなのに、控除できる額が減少するということになってしまいます。
そこで、平成18年度税制改正では、平成11年1月1日から平成18年12月31日までに入居した人に限り、所得税額が減ったことにより控除額が減少した場合、その減少額を住民税額から控除できるという措置がとられています。ただし、住民税額から控除してもらう場合は、本人が、お住まいの市区町村に申告する必要がありますので、源泉徴収表作成の際には、同措置を受けるための事務処理が必要となってきます。
具体的には、年末調整を行う際に、「給与所得の源泉徴収票」の摘要欄に「住宅借入金等特別控除可能額」および「居住開始日」を記載することになります。なお、「住宅借入金等特別控除可能額」は、「給与所得・退職所得に対する所得税額源泉徴収簿」の「住宅借入金等特別控除額」の欄を転記します。
たとえば、算出した所得税額が25万円で、控除額が30万円だった場合、「住宅借入金等特別控除可能額:300,000円」「居住開始日:平成○年○月○日」と記載します。注意しなければならないのは、「住宅借入金等特別控除可能額」に記載するのは算出所得税額と控除額との差額(上の例では30万円−25万円=5万円)ではないこと、控除額が減少しない場合は「住宅借入金等特別控除可能額」を記載する必要が無いことです。また、「居住開始日」も忘れずに記載しましょう。
参考 国税局からのお知らせ
年金の加入記録
今、問題となっている年金の加入記録について、どのような方の記録が問い合わせにより確認できたかという事例が社会保険庁のHPにUPされていました。
皆様の記録が年金に結びついている事例
平成19年6月からの住民税
特別徴収の市民税の通知書が、各会社のほうに届けられてきておりますが、今年度は昨年度に比べて各人の税額が多くなっていると思います。
これは平成19年より国税から地方税へ税源委譲を行ったためでり、年間の税金総額は変わりないのですが、1年目は何か損した気がしてしまいます。
参考国税庁のご案内

- 今、税制改革は大きな分岐点に立っています。
税制の動向に即応し、有利な節税対策につなげていく事も、非常に重要なことです。
阪村税理士事務所では、税金に関するあらゆるご相談に応え、体力を維持強化する立場から的確にアドバイス。それに関する一切の煩わしい業務を代行いたします。
| 事業内容: | 1. 法人税、所得税、消費税、相続税等の申告及び税務相談 2. 記帳代行または記帳指導及び自計化の支援業務 3. 経営計画、資金計画のための支援業務 4. 相続対策、事業承継対策の相談及び設計 5. 会社設立、開業のための支援業務 6. 給与計算、年末調整等の支援業務 |
|---|







